日本文化を閉じ込めない。世界へ広がる、つまみ細工の新たな挑戦
つまみ細工国際認定講師講座・初級認定試験
先日、つまみ細工国際認定講師講座の初級認定試験が実施されました。
今回、2期生として参加したのは、現地シンガポール人のフレアさん。
最終試験に挑戦し、素晴らしい成果を見せてくれました。
本試験では、
- オリジナル自由作品の制作
- 自ら考えたマーケティングスライドの発表
この2つに取り組んでいただきます。
単なる技術習得にとどまらず、「自分の表現」と「伝える力」を問う内容です。
常識を超える自由な作品
フレアさんが制作した自由作品は、
つまみ細工の常識を大きく超えるものでした。
通常、つまみ細工といえば、アクセサリーやブーケなど、「身に付ける花」を連想されます。
しかし彼女は、木製のアルファベットレターに、小さな花を無数に咲かせるという新しいデコレーションアートに挑戦しました。
何度も試作を重ね、失敗を乗り越え、ひとつひとつの花をていねいに作り上げた過程が、作品全体から伝わってきました。
発表時にも、その努力と情熱がひしひしと感じられました。

小さな一歩、大きな成長
受講当初、フレアさんにはほとんど就労経験がなく、自信も持てずにいました。
「自分が作ることに意味があるのか」と悩む姿も、何度か見られました。
しかし、講座が進むにつれ、表情は徐々に明るくなり、
作品の完成度も飛躍的に向上していきました。
最終回には、自らスライドの前に立ち、
自分の作品と未来への想いを堂々と語る姿を見せてくれました。
講師として、これ以上の喜びはありません。まさに講師冥利に尽きる瞬間でした。

日本文化を閉じ込めない
今回のフレアさんの挑戦を通じて、改めて確信しました。
日本文化を国内だけで守ることも大切です。
しかし、それ以上に大切なのは、世界へ広げ、さまざまな視点と交わりながら、新しい表現を生み出すこと。
それこそが、日本文化を未来へと生かし、継承していく道だと考えています。
文化は、閉じ込めるものではありません。
世界に羽ばたかせるものです。
そこから、また新たな花が咲き続けていくのです。
フレアさんのこれからに期待して
フレアさんは、来月から中級講座にも進むことを決意されました。
これからも、自由な発想で、世界に向けてたくさんの花を咲かせていってほしいと願っています。
私たちも、引き続き全力で応援していきます。
